フラワー・リースの起源の一つ『月桂冠』ーギリシャ神話のもの悲しくも愛に満ちた素敵なお話ー

今日は、現在、Hanatripオンラインストアにおいて一点ものとして出品、3月のHanatripフラワーレッスンの題材にもなっている『フラワー・リース』を取り上げ記していきます。

フラワーリース(Flower Wreath. リース)とは

フラワーリース(以下、リース)と言えば、クリスマスの時の玄関、オシャレなお店の壁や玄関に取り付けられた葉や花で出来た装飾品のことを想像しますが、広義には下記のようなものも含めていわれるそうです。

フラワー・リース(以下、リース。英 wreath)は、(花・葉・小枝などで輪状に作る)輪、花輪、花冠、輪、渦巻き

Weblioより引用

このリースの起源は非常に古く、紀元前において身につける装飾品として用いられていたようです。
今回は、ヨーロッパにおけるリースの起源の一つといわれる、ローマ時代に用いられた、”月桂冠(Laurel Wreath(ローレルリース))”についてお話ししたいと思います。

月桂冠と聞くと、とある国のアルコール飲料を思い出されるかも知れませんが、月桂樹の葉付きの枝を編んだ冠のことです。ここで使われる月桂樹は、地中海沿岸が原産の常緑高木ローリエ(ローレル)を指し、世界中で料理のスパイスの一つとして愛用されているのはご存知のとおり。

月桂樹:Wikipediaより

月桂冠は、古代ギリシアの大祭の一つであるピューティア大祭における競技(音楽や詩歌等の芸術分野)の優勝者を称えるために与えられたものとされています。

ピューティア大祭(ピューティアたいさい、英語:Pythian Festival、または、Pythian Games)は古代ギリシアの大祭で、デルポイの聖地に全ギリシアから市民が訪れて開催されたアポローン神の祭儀である。大祭は8年に一度開催される音楽競技を奉納していたが、後に隣接し、重税を課す都市クリッサとの戦争に勝利してからは体育競技を加え4年に一度の大祭に変更される。アポローンを称えるために、芸術分野の競技や、後にはオリュンピア大祭と似て、全ギリシア的に祝われた4つの古代競技祭典中の一つでもあった

”ピューティア大祭”:Wikipediaより

ギリシャ神話とリースの起源・月桂冠

これより、今日の本題、リースの原型、月桂樹が冠として利用された逸話、ギリシャ神話の一説をご紹介します。
神話の主要登場人物は、 全知全能の神ゼウスの息子アポローンと河神ペーネイオスの娘で精霊のダプネーです。

アポローン(古希: ΑΠΟΛΛΩΝ, Ἀπόλλων, Apollōn)は、ギリシア神話に登場する男神。オリュンポス十二神の一柱であり、ゼウスの息子である。詩歌や音楽などの芸能・芸術の神として名高いが、羊飼いの守護神にして光明の神でもあり、イーリアスにおいてはギリシア兵を次々と倒した「遠矢の神」であり、疫病の矢を放ち男を頓死させる神であるとともに病を払う治療神でもあり、神託を授ける予言の神としての側面も持つなど、付与された性格は多岐に亘る。

”アポローン”:Wikipediaより

ダプネー(古希: Δάφνη, Dáphnē)は、ギリシア神話に登場するニュンペーである。テッサリアー地方の河神ペーネイオスの娘、あるいはアルカディア地方の河神ラードーンの娘。ダプネーはギリシア語で月桂樹という意味。

”ダプネー”:Wikipediaより
アポローンとダプネー(ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ、ボルゲーゼ美術館蔵)、Wikipediaより引用

ある日、大蛇を弓で倒したアポローンがその帰途の途中、たまたま出会った愛の神であるエロースの持っていた小さな弓を揶揄しました。
これを聞き激怒したエロースは、アポローンに金の矢を、たまたま近くで川遊びをしていたダプネーに鉛の矢を放ちました。この金の矢は鉛の矢を受けた相手を恋する矢で、鉛の矢は金の矢を受けた相手を拒絶する矢でした。
アポローンは直ちに求愛しますが、ダプネーはこれを拒否。それから、アポローンが追い求め、ダプネー が逃げ続ける日々が始まります。
ある日、アポローンはペーネイオス河畔までダプネーを追いつめます。しかし、ダプネーはアポローンの求愛から逃れるために、父である河の神に自らの身を変えてほしいと強く望みました。これを聞き及んだ父は、ダプネーの体を月桂樹に変えました。もう少しのところまで追い詰めたものの、月桂樹に変わったダプネーを見てひどく悲しみました。
これより、アポローンは愛の誓いとして月桂樹で冠を造り、永遠に身につけることになりました。


Giovanni Francesco Romanelli
Apollo wearing a laurel wreath
https://www.thorvaldsensmuseum.dk/より画像引用

この神話により、月桂樹はアポローンの聖なる樹として崇められました。
アポローンは音楽や詩歌といった芸術を司る神であったことから、その祭儀であるピューティア大祭における競技の勝者に月桂樹で作られた冠が与えられたとされます。 現在では、月桂樹、月桂冠は芸術、文化分野における勝者、功労者を称えるものとして位置づけられ、シンボル、モニュメントとして扱われています。


このように、 もの悲しくも愛に満ちた神話を起源に持つリース、ご自宅や仕事場の装飾に如何でしょうか?

Flower Wreath

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by Hanatrip

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